「悪役だからって、悪いやつとはかぎらないぜ!」あのザンギエフかく語りきな映画「シュガー・ラッシュ」

春になって、卒業シーズンも終わり、世間はクラス替え、入学、入社、異動、新しい環境で生活していく人がいることでしょう。

学校でも会社でも、大抵の人には、気がつくと定位置=キャラクターというものが生まれていきます。それはその人の性格や、振る舞い、態度、外見などが密接に作用して周囲に共通認識としての、あなた、が出来上がるからだと思います。

ある人はいじられキャラ、ある人は爽やかイケメンキャラ、おしとやか暗いキャラ、横柄で鬱陶しいキャラ、なんか無理してるキャラなどなど。。そしてそれが組織の中でうまくハマって、自身も心地良ければいいけれど、なかなか人間そうはいきません。
本当は俺は器用でなんでもこなせるはずなのに、ただ仕事が細かすぎるとか言われる、とか、美人でオトナな女を演じてるはずなのに、みんなには冷たくて接しにくいと思われてる…なんて。

殆どの人は多かれ少なかれ、自分の目指す人格イメージと、他人から思われる人格イメージ、そして自分が目指したいポジションと、周囲から与えられるポジション、それらに溝があるのではないでしょうか?
そこでその溝を埋めようと、待ってましたと、新しい環境になって外見をイメチェンしたり、心を広く持とうと思ったり、強気にでて主導権を握ろうと画策したり、そんな事を心に秘める春です。でもそれはなかなかうまく行くものではありません・・・。。

はい、前置きが長くなりましたが、リッチ・ムーア監督のディズニーの新作「シュガー・ラッシュ」(英題「Wreck-It Ralph」=壊し屋ラルフ)を観てきました!(ネタバレあります!!!)
簡単にあらすじを言うと、とあるゲームセンター、その中のフィックス・イット・フェリックスというレトロなゲームの悪役、ラルフが、俺はいつも悪役を演じ、阻害される、そんなのは嫌だ!ヒーローになりたいんだ!と自分のゲームを抜けだしてシュガー・ラッシュという女の子向け?レーシングゲームの中に行ってしまい、そこでヴァネロペという、同じくゲームから阻害されてなぜか出演できない女の子と一緒に、それぞれの目標を達成しようとする物語です。

シナリオはディズニーらしい、いい意味でベタな構成で、安心して観れます。ゲームセンターのフロアからゲーム画面の中に入っていく”オープニング”から始まり、お店が閉店した後のゲームの中では、みんな仕事が終わった〜と飲みに行ったり、パーティーしたり!そして悪役の皆さん(ここで登場、マリオのクッパやスト2のベガやザンギエフ、なんかのゾンビ笑)は輪になって集まって悪役とは何なのか?とか真剣に話し合って(麻薬依存患者などが集まって話をし合うセラピーみたいなあれです)います。

そこで悪役を辞めたいラルフにザンギエフは言いいます。「悪役だからって、悪いやつとはかぎらないぜ(=Ralph you are bad guy , But this does not mean you’re bad guy)」と。これがさらっと語られる、この映画の大きなテーマと方向性の提示ではないでしょうか?

なおザンギエフが悪役かどうかは話題になっていて、ゲームカルチャーに対するディズニーの本気映画「シュガー・ラッシュ」という記事でプロデューサーから少し語られていますよ〜。北海道では唐揚げのことをザンギとよぶそうですよ〜。

話を戻すと、この映画で語られること、それは

周囲に与えられた役割=それはその人にしかできない期待された、代替できない役割の場合、それを自信を持って全うしてみよう。ただしあなたの本当の人格をわかってもらえる人がいる環境ならもっといいよね…

という事なのかなと思います。
すっごいざっくり言うと、無理して自分を作ったりするな、でも良い友だち作れ!かな笑。
まぁそんなこんなで話は進み、ラルフは不満から他のゲームに飛び出してしまうという禁忌を行います。ここが第一ターニングポイントですかね(三幕構成のシナリオでいう序章がおわり、新たな世界へ旅立つ所です)。

で、ひょんな出会いから最初は仲たがいしていた主人公のラルフとヴァネロペは互いの共通目標のために一致団結します。二人、そして観客のテンションが上りシナリオで言うミッドポイント(シナリオ上、主人公が見せかけの絶好調になる、もしくは絶不調になるところです)かなと思います。ここで映画始まってから約1時間のはず。

しかしとある事実がラルフだけに知らされたことが原因で、二人はやっぱり仲たがい。目標も、協力者も、自分自身のアイデンティティさえも疑うという、すべてを失うポイント(ミッドポイントで絶好調の場合はここで絶不調になります)です。

で、打ちひしがれるラルフはある事実に気が付き、本当に悪い奴は誰かということを突き止めます!ここが第二ターニングポイント(本当の解決に向けての鍵が見つかる所)でしょう。約1時間半くらいです。

ここから後は主人公たちが奮闘し、悪をやっつけ、それによって自身の新たな価値観や教訓や人格や仲間を手に入れながら、しかも世界を再構築していく。いわゆるフィナーレです。

フィナーレで華々しく終わり、ラルフのモノローグが始まりますが、コレが相当いい事言ってるし、計算されていて、泣けました…。

更にエンディング。ゲームをフィーチャーした画面に乗せてのアウル・シティーのWhen Can I See You Again?がクラブみたいで良かったし(僕だけですかね笑)、AKB48のSugar Rushも世界観に合ってたと思います。てかAKBと知ったのは観た後なのでなんの先入観もなく、でも良かった!帰り際に、シュ〜ガラッシュ♪とか口ずさんでしまったのは若気の至り(そんな若くないけど)。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=qM1YMeDsc-M[/youtube]

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=NI0ev5w-szs[/youtube]
PVだけ見ると…

総じて、王道シナリオだけどウィットに飛んでて現代性があって、ディズニーの映画って本当におもしろいと思います。同じようにピクサーも凄いし、絶対泣かせられる。ディズニーとピクサーが観客に流させた涙で、運河作れると思う。

 

で、いっちばん冒頭の話に戻ります。春になって新しい環境、そして新しい人達の中で色々と頑張るのも大切だけど、あなたのキャラクターを大切に、そして必要だと思ってくれる人がいるなら、あまりマイナスに考えずにやっていこうよ、なんて、この映画を見ると思えるかもしれません。

説教臭い? たまには素直になろうぜ!

 

 



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