「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」〜大金や美女なんていいやとか言ってる奴、お前は戦っているのか?〜

 

実在の元株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録『ウォール街狂乱日記 – 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』(なんやこの邦題訳はw)を原作としたマーティン・スコセッシ監督の作品。レオナルド・ディカプリオが主役ベルフォートを演じている。

あらすじはと言うと、簡単にいえば男の成り上がり物語とその終焉である。しかもそれが約三時間。マーティン・スコセッシらしい、なんか感情移入から少し距離をおいたようなクールな演出だった。ディカプリオはこういうギラギラした役が最近はまってるね。ギャツビーとかね。
かなり会話が多く、テンポがいいかと言われるとあんまり良くなくて、ちょっとしんどいなって人もいるかもしれない。どこに向かおうとしてるのかイマイチわからず、なんとなく散漫な印象だった。しかしまぁWORK HARD PLAY HARD=よく遊びよく学べ、なんて言ったもので、とにかく実話ベースだということなので、その仕事と遊びの激しさたるや、想像を絶する物がある。金!酒!ドラッグ!女!なんでも来いや!だ。

世の中のほとんどの人は直接であれ間接であれ、何らかのモノを売る仕事に従事している。そこには営業という働きかけが必須であり、服、食べ物、音楽、不動産、エステサービス…様々なものがその対象である。
で、人はこうして他人にモノを売って稼いだ金でまたモノを買うのだが、その稼ぎを牛耳っているのはモノ売るシステムを作り上げた会社の社長であったりする。で、そういった金持ちが何に金を出すかというと、高級車やデカイ不動産、そして稼いだ金を更に増やすべく、株やなんかに投資するわけだ。株はいわば金の対価そのものかそれ以上の魅力を秘めている。
前置きが長くなったが、要は株を売る仕事(=株式ブローカー)は、直接金を交換しあうよりも更に高度に価値を交換する営業の役割を担っていることになる。営業の商材としてはトップクラスの価値を秘めていると言っても過言ではない。だからいつも金融業界はまさに金であふれ、激務だが給料もトップクラスなのだ。もちろんそのリスクも最大級であり、一発で倒産や、クビもあり得るシビアな一面もある。
しかし営業という仕事そのものは、ただ単に勉強できる的な賢さがあればいいという類のものでもなく、むしろ元ヤンキーがものすごいメンタルで成功することもあるし、東大出ててもコミュ障だったら全く役に立たないなんてこともある。だからこそ営業というのは面白いのであり、だからこそ嫌な人にとっては最悪なのだろう。

で、結局何がいいたいかというと、自ら金や成功を掴み取ろうとしている人にはこの映画は刺激的だろうってこと。野望が、夢がある人にとっても。
六本木なんかに行くと、おもいっきり仕事もして、おもいっきり金も使って、そして色んな女と過ごす、みたいなバブルか!って輩がまだまだいる。そういう世界をしかし問答無用に気味悪がってはいけない。与沢翼をキモがってはいけない。翼って名前が違和感、とかまぁ置いておこうよ。彼らは余程中途半端に金欲から逃げていない。女からも。言うなればそれは欲望から逃げていない、ということだ。

この世界には欲望からあえて逃げることで自分のプライドを保っている人間がどれほどいるだろうか!?
20万くらい稼いで、週末はゆっくり過ごして、それなりの彼女彼氏と、それなりに過ごすのも幸せじゃん、そんなふうに思っているのが真の偽りのない欲求なのか?
本当は月に100万稼いで、モデルみたいな長身でFカップのセックスのうまい女とか、清楚で賢い美女を彼女にして、リッツカールトンの最上階のバーで過ごしたり、麻布のタワーマンションに住んで毎晩会員制高級クラブで嬢を相手にしては持ち帰ったり、休みはクルージングしたり、ちょっとマカオや上海に出かけたり、値札のない寿司屋で腹いっぱい食べたり、アルマーニで大人買いしたり…

したいんじゃないのか?

できないからそんなことに興味が無いとか言ってるんじゃないか?

え?

どうなんだ?

できるのならやってみろ!!

そんな毎日を送ってから、つまらないと普段の生活に戻ればいいじゃないか!!

そうだろ!!

ダサいのはどっちなんだ!?

確かに世の中金だけでも女だけでも野望だけでもないけれど、敢えて逃げる必要もないんじゃない?ってね。なんかあんまり映画の感想になってないけれど、狼として生きるのか、更にはライオンになるのか、はたまた草食動物になるのか、幸せは単なる切り口のちがいかもしれない。波風のない凪を良しとするのか、大荒れの波乗りを楽しむのか…。



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